沖縄県の運送・配送求人

沖縄県は日本列島の南西端に位置し、最大面積を誇る沖縄本島を中心に宮古島や石垣島などの150以上の島々から構成されており、そのうち49の島々が有人島となっています。沖縄県は1年を通じて温かく、年間の平均気温は22.7度で最高気温が30度を超える日が年平均で80日以上もあります。真冬でも気温が10度以下になることはめったにありませんが、風が強いため体感温度は寒く感じます。また、1年を通じで湿度が高く降水量の多い地域でもあります。台風の通り道にあたることから、6月～10月の間、年平均7～8個の台風が近づき長時間にわたって風雨が吹き荒れることもあります。日本全国では既に人口が減少傾向に入っている中、沖縄県は2009年度から2019年度の10年間で5%増加しており、ピークを迎える2030年には147万人まで人口が増加しその後減少に転じると推計されています。人口の増加以上に沖縄県の自動車の保有台数の増加は顕著であり、自動車検査登録情報協会の調査によると10年間の全国の増加率4%に対して、沖縄県では19%増と2桁増で推移しています。沖縄本島の高規格幹線道路には沖縄自動車道と那覇空港自動車道、地域高規格道路には沖縄西海岸道路、名護東道路、南部東道路、那覇インターアクセス道路が位置付けられています。沖縄県内の移動の約90%は自動車に依存しており、全国の約66%と比較して非常に高い割合となっています。貨物量については年々増加傾向にあり、特にコンテナ等で運ばれるユニットロード貨物が増加しています。これらの貨物のほとんどは那覇港を経由することから、貨物車による陸上輸送は那覇市を発着とするものが多く、その他那覇市と沖縄市、うるま市間、本部町と名護市間を結ぶ輸送が多くみられるためこれに対応した道路ネットワークの拡充が課題となっています。

厚生労働省が発表した「賃金構造基本統計調査」によると、令和2年の大型トラック運転者の平均年収は約454万円、中小型トラック運転者の平均年収は約419万円となっていますが、沖縄県は、大型トラック運転者の平均年収が約382万円、中小型トラック運転者の平均年収は約329万円となっています。運送業界全体の平均年収は様々な調査結果がありますが、およそ380万円～450万円ほどと言われており、日本の平均年収と比較すると低い傾向にあります。特に沖縄県においては、島しょ県である構造上目的地までの道のりが数百kmにも及ぶような長距離トラック運転手という仕事はないため、トラック運転者の平均年収が低い傾向となっています。

国土交通省の統計データによると、令和4年3月時点の沖縄県内の一般貨物運送事業者数は856事業者となっています。沖縄県では、道路貨物運送業として営業している事業所の数は増加傾向となっており、合わせて従業者数も増加しています。しかし、輸送量の増加に加えて1人あたり労働時間の調整等の働き方改革の影響を受けているため、各事業者ともに人手不足が常態化しています。ドライバー不足問題を抱えているため、運送事業者は業務拡大に踏み切ることができず、物量の増加により新たな引き合いは各事業者で生じているもののそれに対応できない状況が続いています。一方、運送業のこうした逼迫した状況は、沖縄県内の物流事業者と荷主の関係にも変化が生じており、荷主の理解が進み時間指定の緩和に応じるなど協力的な荷主が増え、運送業者と荷主の側がパートナーとして良好な関係を築けるようになりつつあります。

令和2年の貨物地域流動調査によると、沖縄県から全国へ発送された貨物輸送量は3,345万トンで、沖縄県内発着貨物は3,191万トンでした。輸送量は2009年以降低迷していたものの2013年から回復基調に移り、およそ10年前の水準に戻りました。沖縄県内の物流流動を見ると、那覇港が主要な港湾として機能していることもあり、那覇市を発着とする貨物が多く、中城湾港の周辺の沖縄市、うるま市間を結ぶ流動も多くなっています。また、本部港の立地している本部町と名護市、及び国頭村と名護市を結ぶ発着も見られます。県外・国外から那覇港に輸送された40ft背高海上コンテナの多くは那覇市でコンテナから取り出されていますが、沖縄市やうるま市、恩納村、南城市などにコンテナごと輸送される場合もあります。大型の貨物車の海上コンテナは那覇港から中部に向かって輸送されており、国道58号を北上する経路に集中していることから国道58号では慢性的な道路渋滞による速度低下が問題となっています。近年は中城湾港新港地区も産業支援港湾として取扱貨物量を伸ばしており、さらなる港湾機能の強化が進められています。また、コンテナの一部が那覇港から中城湾港新港地区に輸送されていることや、今後の中城湾港の利用促進、災害時の拠点・経路の代替性を考慮し、物流事業者等の関係者から東西方向の輸送ルートを整備することが望まれています。

沖縄県の運輸業の新規求人数をみると、2011年には2,271人であった新規求人数が2019年には5,298人にまで増加しています。運送事業者におけるトラックドライバーの人材不足は全国的に深刻な状況にあり、沖縄県でも同様に運送業の人手不足は深刻化・常態化しています。求職者にとっては事業者が選べる環境にありますが、トラック運転者は、全産業と比較して低賃金・長時間労働など厳しい労働環境にあり運転する車の大きさや走行距離や働き方によって収入が変動するため、自分の保有している資格や希望する収入・働き方、体調面を考慮して選択するとよいでしょう。沖縄県内では、ドライバーの求人を沖縄県外で行っている事業者は少なく限られたドライバーを運送事業者が奪い合っている状況となっていたため、ここ数年は沖縄県外から運送ドライバーを積極的に募集する傾向が出ています。島しょ県である沖縄県はその構造上、目的地までの道のりが数百kmにも及ぶような長距離トラック運転手という仕事はなく、温暖な気候や眺めの良い景観など本土にはない沖縄運送業の特性をアピールすることで、厳しい労働環境からの脱却を望む県外のドライバーを呼び込もうと積極的に募集しはじめています。