鹿児島県の運送・配送求人

鹿児島県は、日本本土の西南部に位置し、韓国や東南アジア諸国に近接しています。総面積は9,188平方キロメートルで、薩摩半島・大隅半島の二つの半島と種子島・屋久島・奄美大島をはじめとする約600の離島があり、そのうち有人離島は28島もあります。離島人口及び離島面積は全国第1位となっており全国でも有数の離島県です。南北に約600キロメートルと縦に長い鹿児島県は温帯から亜熱帯まで気候もさまざまで、県内には桜島をはじめとする11の活火山があり、鹿児島県のおよそ半分は「シラス」と呼ばれる火山灰が積もった「シラス台地」でできています。県土の総面積のうち可住地面積は35％しかなく、地理的要因等から公共交通機関が不十分であり、公共交通機関の発達した都市に比べると自動車交通に大きく依存しています。高速自動車道は九州自動車道と東九州自動車道が走っていますが、令和3年4月時点の県内における高規格幹線道路の供用率は77％、地域高規格道路58％と低い状況にあり、未だミッシングリンクが残されているのが現状です。平常時・災害時を問わず安定的な人流・物流を支え、地域の産業振興や観光振興等を図るため引き続き重点的に対策を行うことが求められています。

運送業界全体の平均年収は様々な調査結果がありますが、およそ380万円～450万円ほどと言われています。全国におけるトラックドライバーの平均年間所得額は、全産業平均と比較して大型トラックのドライバーで約1割、中小型トラックのドライバーで約2割低くなっており、鹿児島県においても全国同様の状況にあるものと思われます。厚生労働省が発表した「賃金構造基本統計調査」によると、令和2年の大型トラック運転者の平均年収は約454万円、中小型トラック運転者の平均年収は約419万円となっていますが、鹿児島県は、大型トラック運転者の平均年収が約428万円、中小型トラック運転者の平均年収は約424万円となっています。基本的にトラック運転手の給料は、大型トラックや長距離運転、けん引などの運転技術が必要とされる仕事に就くことで上昇する傾向にあります。給料アップを目指すには、仕事の選択肢を広げる努力がポイントになります。

国土交通省の統計データによると、令和4年3月時点の鹿児島県内の一般貨物運送事業者数は、1,118事業者となっており、九州地方内では福岡県に次ぐ事業者数となっています。鹿児島県内はトラック運転手の人材不足が深刻化しており、近年の少子高齢化に起因する人口減少社会によって生産人口が低下するなかで、商慣行や慣習による長時間労働や適正運賃の収受問題も顕在化しており、今後ますます県内のトラック事業者は取引環境や労働環境の改善が必須となっています。国土交通省九州運輸局では適正な運賃及び料金の収受について、平成29年11月に標準貨物自動車運送約款を改正し、運送の対価である運賃と運送以外の対価である積込料や待機時間料等の料金の範囲を明確化し、運賃と料金を別建てで収受することができるようにすることでサービスに対応した適正な収入を得ることが可能な環境の整備を図りました。令和2年4月には、トラック事業者が、荷主との交渉やトラックドライバーの労働条件の改善等を図るため、法令を遵守して持続的に事業を運営するための参考となる「標準的な運賃」が国土交通省により告示されています。また、令和6年4月から時間外労働の罰則付き上限規制(年960時間)の適用開始を控え、トラック運転者の労働時間の短縮に向けた取り組みを一層加速させる必要があるため、国土交通省は平成30年5月30日に策定された政府行動計画の施策に基づき、関係省庁や団体・物流のサプライチェーン企業等と連携してトラック輸送の生産性の向上・物流の効率化、多様な人材の確保、取引環境の適正化の取組みを強化しています。

令和2年の貨物地域流動調査によると、鹿児島県から全国へ発送された貨物輸送量は6,938万トンで、鹿児島県内発着貨物は4,255万トンでした。鹿児島県は県内総生産に占める第1次産業(農業・林業・漁業)の割合が全国の約4倍と大きい一方で、全国と同様に第3次産業のウェイトが上昇傾向にあります。令和2年の農業産出額は、4,772億円で4年連続で全国第2位となりました。日本を代表する食料供給基地といわれている鹿児島県の農業産出額のうち、6割以上を肉用牛・豚などの畜産部門が占めています。林産物生産額は平成2年をピークに減少していましたが、近年は素材生産量の増加に伴い、製材需要のほか木材輸出や木質バイオマス利用等の新たな需要が増加傾向にあります。漁業産出額は、近年1,000億円前後で推移しています。令和2年に実施した工業統計調査によると製造品出荷額等は1兆9940億円で、リーマンショック後の平成21年は1兆7,000億円台でしたが、その後の景気回復基調を受けて上昇を続け平成27年には2兆円を超え平成30年は過去最高となりました。製造品出荷額等の構成比は、食料品等・電子・窯業の3業種で全体の約77％を占めています。

運送事業者におけるトラックドライバーの人材不足は全国的に深刻な状況にありますが、鹿児島県内も同様の傾向にあります。求職者にとっては事業者が選べる環境にありますが、トラック運転者は、全産業と比較して低賃金・長時間労働など厳しい労働環境にあり、運転する車の大きさや走行距離や働き方によって収入が変動するため、自分の保有している資格や希望する収入・働き方、体調面を考慮して選択するとよいでしょう。鹿児島県トラック協会では政党や国会議員に対して「燃料価格の高騰対策、高速道路料金の引き下げ、鹿児島県の長距離輸送を維持する為の支援、免許区分変更に伴う初任運転者等運転者教育に対する補助の創設等々」の要望書を提出し厳しい窮状を訴えています。また、国土交通省による「改善基準の告示」について、長距離輸送が多い鹿児島県の実情を鑑みてその見直しを要望し、鹿児島県の基幹産業である農畜産物の首都圏への配送を継続する為に粘り強く働きかけを行っています。若年層のドライバー確保については、新卒者が運送業界に少しでも目を向けてくれるように物流効率化委員会で高校生を対象にした「物流出前講座」やトラビジョン21委員会で小学生を対象とした「環境出前講座」を引き続き開催するなど、物流の重要性等の広報に努めています。