福岡県の運送・配送求人

福岡県は、九州の北に位置し、九州と本州を結ぶ交通の要衝となっています。福岡、東京間は880kmに対して、福岡、上海間は890kmとほぼ同距離にあり、福岡、ソウル間は540kmと、朝鮮半島や中国大陸に極めて近い位置にあり、古くからアジアの玄関口としての役割を果たしています。博多港をはじめとする複数の港もあり、九州新幹線をはじめとした鉄道はもちろん、交通網では九州自動車道や東九州自動車道、福岡・北九州都市高速道路などがあり、九州内での移動の拠点となっています。福岡県の人口は、昭和45年以降増加し、全国第9位の511万人となっています。また、県内総生産は18兆円余となっており、九州の約4割を占め、全国第9位となっています。また、都会でありながら豊かな自然もあり、農林水産業も盛んで、第1次産業から第3次産業まで多様な産業があります。福岡県は、英国モノクル誌に掲載された「世界で最も住みやすい25の都市ランキング-2018年-」において、22位に選出され、海外からも高い評価を受けています。このランキングは、犯罪率、医療制度、公立学校、景気、公共交通網、緑地スペースの広さ、文化への取り組み、日照時間、電気自動車の充電スポットの数、新規ビジネスの立ち上げやすさなどを評価指標としています。福岡県は、東京、名古屋、大阪よりも地価や物価が低く、自然のすぐ近くに都市型の商業施設等が集積するなど利便性も良く、ゆとりのある生活ができるのが魅力です。
福岡県内でも、物流・運送業界の人材不足は、より深刻な状態になっており、現在の物流網を維持・発展していくためには、若い人材の確保が重要かつ喫緊の課題となっています。そのため、国土交通省九州運輸局では、人材確保の取組みの先進事例の収集・共有、業界と就活生のマッチングにつながるシンポジウム等の開催、各種支援制度の紹介などを積極的に行っています。

厚生労働省が発表した「賃金構造基本統計調査」によると、令和2年の大型トラック運転者の平均年収は約454万円、中小型トラック運転者の平均年収は約419万円となっていますが、福岡県は、大型トラック運転者の平均年収が約433万円、中小型トラック運転者の平均年収は約434万円となっており、九州地方では一番高い平均年収となっています。運送業界全体の平均年収は様々な調査結果がありますが、およそ380万円～450万円ほどと言われており、日本の平均年収と比較すると低い傾向にあります。また、基本的にトラック運転手の給料は、大型トラックや長距離運転、けん引などの運転技術が必要とされる仕事に就くことで上昇する傾向にあります。給料アップを目指すには、仕事の選択肢を広げる努力がポイントになります。今後ますます国や都道府県の働きかけにより、待遇面の改善や、労働時間短縮がされる可能性があり、働きやすい職業になっていくことが予想されています。

国土交通省の統計データによると、令和3年、福岡県内の一般貨物運送事業者数は、2,494事業者となっており、九州地方では、第1位の事業者数となっています。平成2年の貨物自動車運送事業の規制緩和以降、事業者及び車両数に大幅な増加はあったものの、平成18年をピークに穏やかな増加傾向となっています。しかし、福岡県内もトラック運転手の人材不足が深刻化しており、近年の少子高齢化に起因する人口減少社会によって、生産人口が低下するなかで、商慣行や慣習による長時間労働や適正運賃の収受問題も顕在化しており、今後ますます県内のトラック事業者は取引環境や労働環境の改善が必須となっています。国土交通省九州運輸局では適正な運賃及び料金の収受について、平成29年11月に標準貨物自動車運送約款を改正し、運送の対価である運賃と、運送以外の対価である積込料や待機時間料等の料金の範囲を明確化し、運賃と料金を別建てで収受することができるようにすることで、サービスに対応した適正な収入を得ることが可能な環境の整備を図りました。令和2年4月には、トラック事業者が、荷主との交渉やトラックドライバーの労働条件の改善等を図るため、法令を遵守して持続的に事業を運営するための参考となる「標準的な運賃」が国土交通省により告示されています。また、令和6年4月から時間外労働の罰則付き上限規制(年960 時間)の適用開始を控え、トラック運転者の労働時間の短縮に向けた取り組みを一層加速させる必要があるため、平成30年5月30日に策定された政府行動計画の施策に基づき、関係省庁や団体・物流のサプライチェーン企業等と連携して、トラック輸送の生産性の向上・物流の効率化、多様な人材の確保、取引環境の適正化の取組みを強化しています。

令和2年の貨物地域流動調査によると、福岡県の輸送量は1億5,238万トンで、福岡県を発着する対本州側とのトラック、鉄道、海運の貨物量をみると、全体量では福岡県着が福岡県発を上回る貨物量の傾向となっています。トラックや鉄道では相対的に着貨物量のほうが多く、福岡県だけを取り上げればやや片荷傾向とみられます。福岡県を発着する対本州側とトラック貨物量を地域別にみると、発着とも近畿が最も多くなっており、隣接する山口県を除いた中国地方よりも遠方の近畿側との流動の多さは、九州外とは長距離輸送が不可避となっているものとみられます。このことはトラックドライバーの労働環境として厳しい状況を生じさせている可能性があり、将来的な輸送力の確保に向けて、さらなる工夫の余地があることをうかがわせています。
2019年における福岡県の製造業の製造品出荷額等は前年比3.2%減の9兆9122億円となっており、前年より減少となったのは実に6年ぶりです。2019年の出荷額は全国の3.1%を占め、47都道府県中のランキングは第10位でした。2019年において最も出荷額等が多い業種は、輸送用機械器具製造業の3兆3538億円(製造業全体の33.8%)。次いで多いのは、食料品製造業(1兆0803億円、10.9%)、鉄鋼業(9,769億円、9.9%)、金属製品製造業(5,680億円、5.7%)、飲料・たばこ・飼料製造業(5,631億円、5.7%)、化学工業(4,982億円、5.0%)、生産用機械器具製造業(4,436億円、4.5%)となっています。

福岡県内のトラック運転手の有効求人倍率は、全産業の約2倍と高水準に上っています。平均年収も九州地方内では最も高く、求職者にとっては事業者が選べる環境にあります。県内の運送事業者は、働き方改革や人手不足解消に尽力しており、公益社団法人福岡県トラック協会では、若者に「日本を背負う仕事」をアピールするとして、「モノを動かさなきゃ日本の明日はない～TRUCK PRIDE」をコミュニケーションフレーズとし、オリジナル楽曲・動画を作成し、SNSでの配信や県内各地でのライブイベントなどを通じてトラック運送業界が魅力ある、やりがいのある業界であることを広くアピールする活動を行っています。さらに、一昨年に策定した「働き方改革に向けたアクションプラン」に基づき、荷待ち時間の削減や高速道路の有効利用等による生産性向上、ドライバーの処遇改善や経営基盤の強化による経営改善、書面化等の推進や適正運賃・料金の収受等による適正取引の推進、女性や高齢者、若年労働者を含む多様な人材の確保・育成に鋭意取り組んでいます。さらに九州は、首都圏など大量消費地からの距離が長いことから、運転時間や拘束時間の遵守が厳しい傾向にあるため、国土交通省九州運輸局内では、物流総合効率化法の改正を受けて、物流効率化政策推進本部を設置し、局横断的な体制により輸送網の集約、モーダルシフト及び中継輸送、共同輸配送など、トラック事業者が物流の効率化を図れるよう後押ししており、今後ますます福岡県内のトラック運転手の働き改善が期待されています。