愛媛県の運送・配送求人

愛媛県は四国の北西部に位置し、東は香川県と徳島県、南は高知県に隣接しています。また、北は瀬戸内海を挟んでしまなみ海道で結ばれた広島県、西は宇和海を隔てて大分県と向かい合っています。東洋の地中海と呼ばれている瀬戸内海やリアス式海岸が続く宇和海には200余りの島々があり、海岸線の長さは全国5位で美しい景観がとても有名です。県の中央部には、西日本最高峰の石鎚山とそれに連なる山々や四国カルストが広がる雄大な眺めとなっており、バラエティに富んだ豊かな自然に恵まれています。愛媛県には全国や世界に誇る優れた企業や農林水産物があり、今治タオルに代表されるタオルの出荷量は日本一であるほか、養殖マダイといった第一次産業も京阪神地域を中⼼とした市場へのシェアを拡大しています。自動車交通量については「四国8の字ネットワーク」の整備により、35年間で約1.7倍に増加しています。また、神戸淡路鳴門自動車道、瀬戸大橋、しまなみ海道が開通し、本州とのアクセス性が向上したことにより、本州・四国間の移動時間が約6～7割短くなり、移動する人が約2倍に増えています。愛媛県における物流量は増加しており、17年間で最大約18倍の増加となっていますが、今後はドライバーが10年で約22％減少することが予測されています。

厚生労働省が発表した「賃金構造基本統計調査」によると、令和2年の大型トラック運転者の平均年収は約454万円、中小型トラック運転者の平均年収は約419万円となっていますが、愛媛県は、大型トラック運転者の平均年収が約404万円、中小型トラック運転者の平均年収は約377万円となっており全国平均よりも低い傾向にあります。全国におけるトラックドライバーの平均年間所得額が全産業平均と比較して大型トラックのドライバーで約1割、中小型トラックのドライバーで約2割低くなっており、愛媛県においても全国同様の状況にあるものと思われます。基本的にトラック運転手の給料は、大型トラックや長距離運転、けん引などの運転技術が必要とされる仕事に就くことで上昇する傾向にあります。給料アップを目指すには、仕事の選択肢を広げる努力がポイントになります。

国土交通省の統計データによると令和4年3月時点の愛媛県内の一般貨物運送事業者数は、795事業者となっており、平成26年度の804事業者をピークに徐々に減少しています。以前より国内の物流を支える中小トラック運送業者の経営環境は厳しさを増しており、人手不足が深刻化しているうえドライバーの高齢化が進んでいます。また企業間の顧客獲得競争が激化しているほか、貨物の小口化や日時指定の増加など荷主ニーズが多様化しており、さらには、運行の安全確保に向けた取り組みや、環境問題に配慮した環境負荷の低減がより求められるようになってきています。原油の高騰も後押しして運送事業者は非常に難しい課題に直面しています。また、愛媛県の人口は、全国よりも約25年早く人口減少に転じ、2045年には2015年と比べ60％以上人口が減少すると予測されている市町も存在するため生産年齢人口も同様に減少する見通しとなっています。このような中、物流はライフスタイルの多様化等を背景とし、ECの急増による小口多頻度化が進んでおり、生産年齢人口の減少等に伴う物流業界の労働力不足が顕在化しています。

令和2年の貨物地域流動調査によると、愛媛県から全国への輸送量は4,981万トンであり、国土交通省四国運輸局の四国市域貨物流動推移では、平成28年の愛媛県内発着貨物流動量は1億2,267万トンでした。愛媛県内の輸送を運輸機関別にみたときに自動車の占める割合は、県内間の輸送ではおよそ90％を超えており貨物自動車の依存度が高くなっています。県外への輸送は全国平均と比べ海運の割合が高いですが、それでもおよそ6割を自動車が占めています。愛媛県の製造品出荷額等は、工業統計調査によると、2020年度は4兆3,088億円で前年と比べ448億円増加しており、3年ぶりの増加となりました。全国では第25位の結果となっています。製造品出荷額の産業別割合をみると、食料品が最も高く、次いで繊維、パルプ紙、生産用機械となっており、これらの4つの産業で全体の約49%を占めています。

愛媛県内のトラック運転手の求人倍率は、約3倍で推移しており、全産業平均を大幅に上回っている状態です。求職者にとっては事業者が選べる環境にありますが、トラック運転者は、全産業と比較して低賃金・長時間労働など、厳しい労働環境にあり、運転する車の大きさや走行距離や働き方によって収入が変動するため、自分の保有している資格や希望する収入・働き方、体調面を考慮して選択するとよいでしょう。愛媛県では、運輸業界の人材確保がより一層厳しい状況となっていることから、令和元年に公共交通人材確保緊急対策事業を策定し、業界と連携のもと人材確保へ向けて取り組んでいます。また、愛媛県トラック協会では、労働災害の撲滅と労災保険収支の改善、並びに若年労働者不足と雇用対策について各種セミナー・啓発活動の実施や、業界指針「経営改善対策指針」に基づき荷主企業・一般消費者に対する「良質な輸送サービス」の提供と輸送の効率化に対する調査委・研究および経営基盤を強化するためのセミナー・研修会等を実施しています。さらに、県下の荷主団体並びに一般消費者へトラック輸送業界の諸課題について理解を得るための講習会や荷主ニーズに応えるための懇談会を開催しており、今後ますます愛媛県内の運送業の働き方改革が進む予測となっています。